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MVNOは、キャリア御三家値下げでどうなる?
携帯電話は、今や格安SIMを提供するMVNOを利用するのは当たり前の時代になってきましたね。ここにきてNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手キャリア3社は、総務省からの行政指導や通信サービスに対する提言案を受け、通信サービスの見直し及び料金の値下げを来春から実施という報道がされています。
各報道によると、その値下げ幅は、サービスの利用状況によりNTTドコモは、2割から4割程度、KDDI(au)は、auぴたっとプランで3割実施済み、ソフトバンクは、「分離プラン」の仕組みを検討して、これまでより2割5分から3割程度の料金引き下げを行う事に加えサブブランドのYモバイルの料金を1割から2割程度引き下げる検討も行っているとか。
私のスマホは、通話だけNTTドコモを利用しているのですが、利用年数やサービスの利用数によってdポイントクラブステージと呼ばれている5段階のサービスグレードがあります。NTTドコモのサービスの割引優遇は、このステージランクが高いほど良くなることから、サービスの2割から4割の幅は、利用サービス契約数又はこのステージランクによって変わるんでしょうね。(あくまで私感です)
それでも個人的には、今回の政府介入の携帯電話いじりは、政治的な思惑や各社の事情が見え隠れしているような感じで、最終的に値引き率は1割から2割くらいに落ち着くのではないかと思います。
何故かと言いますと、キャリア3社がこぞって政府の言っている4割削減を額面通り行ったとしたら、MVNOの存在自体が希薄になり、ほぼ壊滅することになるのではないかと考えるからです。また、楽天が新規にMNO参入を現在のキャリア価格の半分で行う予定としていますが、インフラ整備には、これまでのキャリア3社の通信サービスエリアの整備にかかった期間を考えると、キャリア御三家に並ぶにはしばらく時間を要すると思います。
という勝手な見解からMVNOは、これからもニーズの強い存在で有り続けるのではないでしょうか?ということで前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
皆さんが一番気になる所は、やはり繋がりやすさと速度
格安SIMを提供しているMVNOは、今や800以上あり、どこのサービスも通信事業者御三家よりもずっと安くていいのですが、一体どれが良いのか?どのように決めれば良いのか?わからな~い!!という方も多いのではないでしょうか?
そういう私も、2年前にデータ通信サービスだけをMVNOに乗り換えたのですが、決めるまでスマホに超詳しい知り合いに聞きまくったり、ネットの口コミサイトを片っ端から読んでみたり大変でした。
それでも、その甲斐あって乗り換え後には、スマホ代が約三分の一に激下がりしました。
そこで、今回私がスマホ代激減になったことに一番参考になった口コミサイトの分析結果を公開しようと思います。
データは、皆さんもよくご存じの価格.comのMVNOの口コミデータです。その他にもアマゾンのMVNO商品の評価を見てみたのですが、アマゾンに対する評価が入り混じっていることが多く見られたことや、商品数が1種類若しくは扱っていない場合が多かったので分析は、断念しました。
実際の分析テーマは、皆さんがMVNOで一番気になる繋がりやすさ・通信速度の評価と総合評価の2つを選定しました。
データの期間は、2015年から2018年10月まで
データ数は1697件
対象MVNOは、期間中の口コミデータ数が38件以上あった1次MVNO15社
参考)1次MVNO:MNO(通信事業者)から回線を借用しているMVNO
2次MVNO:1次MVNOから回線を借用しているMVNO
通信の繋がりやすさ・通信速度評価の分析結果
まずは、2018年10月現在における過去4年間の通信の繋がりやすさ・通信速度評価をグラフ化してみました。
このグラフは、通信の繋がりやすさ・通信速度に対して5段階評価を行い、その割合を表しています。評価数値は、1が最下で5が最上です。
ここで評価4と5を合計した割合で見てみると、1位は、ソフトバンクのサブブランドであるY!モバイル74%で2位はMVNOの老舗的存在のIIJmio71%、3位は、インターネットプロバイダのNiftyが展開するNifMo69%となっています。今期MVNOシェアNo1の楽天モバイルが意外にも順位が低い原因は、2017年2月まで行われていた通信規制に対するユーザーの不満が1の評価数の増加に繋がり、低評価の票が多く見られました。しかしながら通信規制撤廃後は、グラフにはありませんが、1の評価数が2桁から1桁に減少しています。
総合評価の分析結果
次に2018年10月現在における過去4年間の通信の総合評価をグラフ化してみました。総合評価は、前述の通信の繋がりやすさ・通信速度に加え、料金、サービスプラン、サポート対応等々各社を総合的に判断した結果を示すものです。
評価方法は、通信の繋がりやすさ・通信速度評価の時と同様の5段階評価です。1位はIIJmioで90%、2位はNifMoで89%、3位はY!モバイルで82%です。楽天モバイルは、通信の繋がりやすさ・通信速度評価の時と同じ理由で順位が下がっています。
速度評価が2位でも総合評価1位になった理由
結果は、通信の繋がりやすさ・通信速度評価でY!モバイルが1位となり、さすがソフトバンクのサブブランドという感じがしたのですが、総合評価では一転し、Y!モバイルは3位に甘んじIIJmioが1位をマークしました。
私もIIJmioのdプランを使っていますが、確かに通信の繋がりやすさ・通信速度は、時間帯と場所によっては結構遅いなぁと感じることが今年の9月末にありました。
私の妻の実家は、都市部にありNTTドコモのバリバリの4Gサービスエリア内にあるのですがスマホでネット検索をかけてwebページを開けるのに結構待たされました。
原因が何なのか知りたかったので、IIJmioのカスタマーサポートへメールで連絡すると、以下の様な返信を頂きました。(要件のみ公開)
ーーーーーーーーーーーー以下返信メール文ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平素は、弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
> 現在貴社のデータプランD(3ギガ)を利用させていただいております。
> 上記住所は、当方の実家なのですが、通信速度が常時アンテナ1~2本し
> か立たず困っております。この地域は、NTTドコモの使用エリアでレッ
> ドゾーンになっているのですが、遅い原因は、同時利用ユーザー数の
> 密度が高いということでしょうか?お忙しいところ申し訳ございませ
> んがよろしくお願い致します。
はじめに、IIJmioモバイルサービス タイプD は NTTドコモの回線を弊社で借り受けてサービスを提供しておりますので、提供エリアは NTTドコモの LTE/3Gエリアに準じます。
そのため、mioモバイルの SIMカードは NTTドコモが設置する基地局と通信を行いますが、電波を利用するサービス仕様上、ベストエフォートでの提供サービスとなり、利用する時間ならびに、利用場所等によって通信の品質に影響を及ぼす可能性もあると存じます。
※ 具体的な時間や場所についてはご案内しておりませんが、利用者が集中すると思われる昼や、夕方、駅周辺での利用につきましては、他の時間帯や場所よりも通信の品質に影響を及ぼすと存じます。
なお、回線調査については、お客様よりご質問いただきました内容につきましても、あわせて調査させていただきたく存じます。
また、調査依頼をさせていただいても、速度改善をお約束するものではないこと、予め了承ください。
恐れ入りますが、調査結果が出るまで、今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーここまでーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
内容を要約すると、”提供エリアは NTTドコモの LTE/3Gエリアで間違いないが、利用者が集中する場所や時間帯では遅くなることがあります。”と一般的に考えられる原因を説明した上で”現場調査は行います。”と書いてあり、”現地調査してくれるんだぁ”と正直驚きました。
そして、それから1カ月後くらいから何とアンテナが3~4本になりネット検索のページ閲覧で待たされることが無くなりました。
実際、調査報告は、来なかったので何がどうなって解消したかはわからないのですが、長い間アンテナが1~2本だったところが急に3~4本に変わったのは、明らかに設備的に何かを講じた可能性が高いと思います。
このような地道なサポート対応が、今回の口コミにも結構多く良い評価として見られたことから、サポート対応の良さ=ユーザーとの風通しのよさが結果に結びついたのかなぁと個人的には感じました。
私は、色々な場所で時間でIIJmioを使っているので、時には確かに通信速度が遅いということがありますが、何とか我慢できる範囲です。通信速度的には、おそらく、常に色々な所のランキングで上位に出てくる他のMVNOも似たり寄ったりの所があると思いますが、ユーザーサポートに真摯な姿勢で実際に取り組んでいるIIJmioの姿勢も気に入っているので、現状では他のMVNOに移る予定はありません。
まとめ
今回の分析で総合評価1位となったIIJmioは、普段から四半期に1度くらいのペースでIIJmioミーティングという誰でも参加できるイベントを開催しています。そのミーテイングでは、スマホの技術的なことから一般的なことまでトークイベントやQ&Aで盛り上がっています。参加は無料ですが定員があるので抽選の場合もあります。
このようなイベントを通じてユーザーとの距離感をより近いものにする企業カラーが多くのユーザーに支持される要因の一つなのかもしれませんね。
今回約1700件のコメントを見て感じたことは、サブブランドと言えども、どのMVNOも込み合う時間、場所では必ず遅くなるという宿命を持った通信会社がMVNOであることから、通信の繋がりやすさ・通信速度で最も優れているMVNOは、ユーザーの使い方によるところが大きいため現状の仕組みでは、実は存在しないのではないかと思います。
とは言え、ユーザー毎に最適なMVNOは必ず存在するので、そのようなMVNOを探すためにはユーザーの話により多くの耳を傾けてくれる安心感が得られるMVNOが一番良いのではないかと感じます。
今回の私のIIJmioのサポートデスクに相談した例のように、実際に困ったことに対してアクションを起こしてくれるMVNOには、やはり信頼が生まれます。
最後に表題のお勧めの格安SIMですが、口コミでも総合評価1位にランクし、個人的にも使用して安心を実感しているIIJmioをお勧めします。