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■デビットカード、審査がないって本当?
海外でもキャシュレス決済の主流になっているデビットカードですが、クレジットカードと比較して良いところとして、”デビットカードは、審査がない!”とか”デビットカードは、審査落ちがない!!”など申し込めば100%手に入れることができると断言的に掲載しているインターネットサイトがとても多いように感じるのですが、本当にそうなのか?ちょこっと調べてみました。
尚、ここでお話しするデビットカードは、VISAとかMasterCardといったようなブランドカードを差し、日本独自のJ-Debitという仕組みのデビットカードは含みません。
クレジットカードには、なぜ審査があるの?
まず、ご存知の方も多いとは思いますが、仕組み的に”クレジットカードとデビットカードはどこがどのように違うの?”というところから説明したいと思います。
クレジットカードは、簡単に言うと”つけ払いカード”です。
お金の持ち合わせがなくてもクレジットカード会社との間で取り決めた日(約定返済日と言います)に後払いするといった仕組みです。
クレジットカード会社は、お金の立て替え払いをする訳ですから、お金を貸す相手(カード会員)が信用できる人物かどうかを見極める必要があります。
そこで、立て替えたお金をきちんと返してくれる人かどうかを判断する一つの基準として、どんな業種でどれだけ収入を得て、家族構成は何人家族で独身か既婚か?他からどれだけ借入があるのか?ないのか?などを本人から書面やwebの申し込みページへの入力で教えてもらいます。
これが、クレジットカードでは審査が必須の理由なんですね。
クレジットカードは、使用履歴が保存されます。
また、この申し込み時に申し込みをした事実やクレジットカード会員になった後のカード使用状況について、株式会社シー・アイ・シーという、信用情報をデータベースに登録する会社に報告しますということの同意を求められます。
既に他社のクレジットカードを持っている方やスマホ本体の分割支払いなどをされた方は、支払いが約束通り誠実に行われているかどうかという状況が毎月、株式会社シー・アイ・シーという信用情報をデータベースに登録する会社に報告される仕組みになっています。
クレジットカード会社は、この申し込みの内容と株式会社シー・アイ・シーに登録されている情報(クレジットヒストリーと言います)を基に審査を行い、カード発行の合否を決定します。
さらに、クレジットカード会社は、既に会員になっていただいた方が万が一返済不能に陥った場合に、その負債を肩代わりしてくれる保証会社という金融の損害保険のような会社と必ず業務提携しているのですが、この保証会社にも審査をしてもらっています。
申し込みの説明文のカード発行条件の中に”当社所定の保証会社の保証が受けられる方”という一文がありますが、この文章が保証会社の審査も必要ということを指しています。
この保証会社の審査も合格して、めでたくクレジットカードの発行となる訳です。
デビットカードは審査の必要が無い理由
次にデビットカードですが、こちらは”即時決済カード”です。
ネット通販で利用した場合などは、商品が到着する時間がありますので、先払いになります。
クレジットカードと同様、VISAデビットであればVISAブランドの提携店でというふうに使用できますが、お店によっては使用は、クレジットカードのみでデビットカードは使用できない場合があります。
クレジットカードと大きく異なるところは、支払いは、モノやサービスの購入時に銀行口座から引き落とされされ、クレジットカード会社に支払われる点です。
最初に預金口座に預金有りきの決済仕様なので、信用取引ではないためデビットカード発行には、あらかじめ審査をする必要がないです。
例外として審査有りデビットカードがあります。
ほとんどの場合は、このような仕組み上の理由からデビットカード発行については、審査がないのですが、実は、一部のデビットカードでは審査があるんです。
それでは、どのような銀行の発行するデビットカードが審査があるデビットカードなのでしょうか?
それは、銀行口座に自動貸越サービスを付けているデビットカードを発行している銀行です。
口座に残高不足が生じた状態でデビットカードを使用した場合、当然預金がないわけですから、カードで支払いはできませんが、そのような場合に自動融資をしてくれるサービスが組み込まれているデビットカードがあるんですね。
自動融資枠は、10万円程度が多いのでクレジットカードの審査よりは、かなりハードルが低いとは思うのですが、審査はしっかりあります。
それでは、具体的なこのような審査有りの銀行をいくつか見ていきましょう。
イオン銀行
まず最初は、イオン銀行が発行するイオンVISAデビットカードです。
カードには、支払い時に口座の預金額が残高不足のため使用できないといった不測の事態にも対応できるように、10万円までなら自動融資を行うバックアップサービスという機能が付いてきます。
そのため入会には審査があります。
また、イオン銀行の総合口座には、定期預金をしていた場合、その定期預金額の90%を限度として融資を自動的に普通預金口座で受けることができるのですが、このサービスをデビットカードに反映させることはできず、バックアップサービスが適用されます。
さらに、支払い時に預金残高不足により口座より支払いができなかった場合、このバックアップサービスから不足金額のみを充当融資する仕組みではなく、その時の支払額の全額をバックアップサービスから支払うという動きをします。
例えば、支払い時に預金残高が39,999円で、支払い額が40,000円だった場合、バックアップサービスからは、40,000円が自動融資され、預金残高は39,999円のままとなります。
ちなみに金利はかからないのですが、借金が増えるのはことには違いないので気を付けたいところです。
スルガ銀行
その他には、他行よりもいち早くデビットカードを導入したスルガ銀行のVISAデビットカードがありますが、こちらの銀行は独自の基準で一応審査があります。
■まとめ
このように審査なしでブランドクレジットサービスを受けることのできる代名詞のようなデビットカードでですが、デビットカードを作ろうとする銀行と過去に金融トラブルがあった場合や破産等で禁治産者になってになっている場合など、そもそも普通口座が開くことができない方は審査以前の話になってしまい、デビットカードを持つことができないでしょう。
また、デビットカードと言えども自動融資のようなサービスがくっついている場合は、審査があるので、その辺りはしっかりと理解しておく必要があると思います。